キーエンス流 仕組み、数値化術

仕組み化#4 キーエンスの合理的な目標設定とは

組織や、個人の目標設定で悩まれることはないでしょうか。
会社から具体的な売り上げ目標は降りてきたが、どのような指標に注力していくか決めることができない。という悩みは多くのビジネスパーソンにあると思います。
今回はキーエンスが目標達成のために何を目標指標として設定しているのかお伝えします。

・目標設定はKGI(最終目標指標)とKPI(中間目標指標)を設定する。
・KGIとKPIの決定要因は対象の指標がアクションによって可変しやすいかどうか。

KGI KPIとは

キーエンスでは目標設定の際に、KGIとKPIを分析します。既にご存じの方が多いと思いますが、KGIとはKey Goal Indicator略称で企業が一定期間の間に上げる最終的な目標となります。一方でKPIはKey Performance Indicatorの略称でKGIを達成するために必要な中間指標(もしくは先行指標)の意味になります。KGIは最終的なGoalを表しているため経営戦略上、最も重要な「結果」を記載してください。一方でKPIはKGIを達成するための中間目標になるため「結果」、「行動」どちらで表すことも可能です。

KGIとKPIの設定方法

では、このKGIとKPIをどのように決めるのでしょうか。

まずKGIについては行動を起こすことで変化する指標化どうかを評価します。例えば、2つの指標を比較したとしましょう。

一つは「新規(顧客)販売件数」、もう一方は「既存(顧客)販売件数」。この2つを比較した際に、どちらが営業担当者のアクションによって変化度合が大きいでしょうか。

答えは「新規(顧客)販売件数」になります。理由としては既存顧客での販売獲得は景況感の影響度合いが大きい指標になる一方、新規販売獲得は新規行動によって大きく変化する指標だからです。KGIについては具体的なアクションによって変化する指標化どうかを評価しましょう。

KPIの設定については、KGIに影響する行動かどうかが重要になります。キーエンスでは専用のSFA(営業支援ソフト)が社内にあり、ここに日々営業担当者のアクションや商談状況が更新、蓄積されています。例えば、上長同席率や自社商品を使ったデモンストレーション回数、紹介した商品数等があります。このような指標の中からKGIに変化を及ぼす影響度が高いアクションをKPIとして選定します。

具体的なKPIの選定方法

では具体的にどのようにKPIは決まっていくのでしょうか。

以下に具体的なKPI選定方法を記載します。下の図をご覧ください。仮にKGIを「新規獲得件数」と設定をすると、更に「新規商談件数」と「新規商談獲得率」に分解することができます。理由は新規商談件数に獲得率を掛けると新規獲得件数になるためです。ちなみに新規商談件数は「数」、新規獲得率は「質」を意味します。例えば、数を稼ぐことに現在伸びしろがありそうだとと分かった場合、新規商談件数に着目しここから分解をします。具体的には、新規商談件数を更に深堀すると引き合い(商談)とPR商談に分解します。まず、この中でどちらの商談が最終的に販売のフェーズまで行く確率が高いかを計算します。その結果引き合い(商談)の方が販売フェーズまで行く可能性が高い場合、更に引き合いの発生動機に何があるかを洗い出します。例えば、展示会、Web、メール等が引き合いの動機(経路)としてあげられます。この中の動機からどの項目が一番引き合いの獲得に影響しているか?を推察してKPIを設定します。

 

KPI KGI階層図※KGIとKPIの階層をイメージした図です。

 

お役に立ちましたでしょうか。

日々の営業の参考にしていただけますと幸いです。

ABOUT ME
Ucchi
キーエンス、ロボットSierに12年間勤務、リードセールス、マネージャーを経験。年間平均売上額は1億以上、3期連続表彰してきた筆者が売れる技術を言語化、BtoB営業手法を科学的な視点から紹介させていただきます。

コメントを残す