キーエンス流 仕組み、数値化術

仕組み化#2 成果を売上ではなく、利益で考える。

利益が生まれるイメージ

・キーエンスでは成果を売上ではなく利益で考える。

・利益を第一に考えてきたことがキーエンスの競争力のエンジンとなっている。

 

通常の会社は売上を業績目標としている事が多いのではないでしょうか。キーエンスでは業績目標は売上ではなく、利益に基づいて行われます。利益で計算するためには標準販管費や原価等を決めておく「手間」が発生しますが、その手間を考えても利益ベースで考えることで余りあるメリットを享受することができます。

成果を利益で考えるメリット①:値引き抑止力

成果を利益で考えることで営業マンの値引きに対してのハードルが高くなります。目標が売上の場合、20%価格から値引きをしようが目標数値に大きな影響はありませんが、成果の場合は、販管費を引いた利益が価格の40%しかないと仮定すると、価格から20%の値引きは40%の半分に当たるため、成果(ここでは利益)への影響の大きさを考えると安易に値引くことはできません。このような背景からキーエンスは目標を売上ではなく、成果にすることで社員に対して極力値引きをさせないインセンティブを働かせることができます。これが高付加価値提案の原動力となるのです。

成果を利益で考えるメリット②:業績の好サイクルを生み出す。

利益を十分に確保することができれば、企業は内部留保が作れて新しい投資に回すことができます。企業の成長のエンジンは利益です。どれだけ売上が上がったとしても研究開発や投資に回す利益がなければ画期的な商品を開発することができません。つまり、キーエンスは投資の源泉となる利益確保を第一の優先順位とすることで、革新的な商品を創造するための原動力としています。

また、キーエンスの賞与は会社全体の利益額から〇〇割等、係数を掛けて計算されます。つまり、会社全体の利益が上がれば、社員の平均給与が上がります。そして、社員の平均給与が上がれば、求職者からすると魅力的な企業に映り、良い人材が集ります。最後には、会社全体の利益が上がっていく。というような凄まじい利益創出のサイクルをキーエンスは構築しています。

以上が利益第一主義の強みです。参考になれば幸いです。

ABOUT ME
Ucchi
キーエンス、ロボットSierに12年間勤務、リードセールス、マネージャーを経験。年間平均売上額は1億以上、3期連続表彰してきた筆者が売れる技術を言語化、BtoB営業手法を科学的な視点から紹介させていただきます。

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